人は生まれながらに美人がわかる!?
自分は美しいと思っているのに、人はどうなんだろう?
でも大抵の場合、自分が美しいと思ったものは人もだいたい美しいと思うようです。
実存主義だけが、「俺を好きになった人が世界一の美女」などとひねくれたことを言っていますが、これとても、内心では美人の何たるかを知っているように思われます。
カントはこのことを少し難しい言葉で、先験的感性の共通感覚、と呼びます。
つまり、人は生まれながらに美しいものを見分ける能力を持っている、と言ったのですが、ではこれは何処から手に入れたのでしょう。
神が人間に分け与えたのでしょうか?
実は、この共通感覚というのがカントの一番の弱点なのです。
今ではDNAの研究で、人間の感性も、かなりの部分説明がつくようになって来ました。
共通感覚ではなく、共通のDNAなのですね。