見ている自分を意識する
クロス・メディア・パブリッシングから出版された『デジタル・エイプ』という本の中に、「見ている自分を意識する自分」、つまり、今自分は花を見ている、ということを意識する動物というのは人間だけだ、ということが出てくる。
この意識、あるいは自我と言ってもいいかもしれない。
これが現れたのは10万年ほど前のことだという。
つまり、意識すること、すなわち自我はホモサピエンス意外には無いということらしい。
犬や猫はものを見たり、餌に飛び掛かったりはするが、見ている自分、あるいは餌に飛び掛かる自分を意識することはない。
彼らはただ見るだけであり、ただ飛びかかるだけなのである。
そして、死もまた同じ、ただ死んで行くだけである。
だが、人間は違う。
死んで行く自分を想像し、意識する。
この意識こそが、人間にとって大問題なのである。