arasan1951’s blog

69年間の人生の叡知!森羅万象に物申す

生命の記憶は原形質にあり

三木成夫の生命観によれば、生命の記憶は原形質(細胞を形成する物質)にあります。

人間の記憶は脳にありますが、それはその個体がこの世に生を受けて以来のわずか数十年の記憶です。

これに対し、原形質の記憶は地球に生命が誕生した悠久の昔から、数十億年を経て現在に至る果てしない年月の記憶です。

ところが、我々は普段この原形質の記憶を意識することはありません。

普段は、原形質などということを考えることもないし、ましてや、その原形質に悠久の記憶が宿っているなどということは考えてみることすらありません。

それは、それぞれの記憶の役割が異なっているからです。

以前お話しした、近の感覚と遠の感得です。

脳は生まれ落ちた個体を成長させ、次の世代に生命を受け渡すことが使命であり、原形質は太初の生命記憶を次の命に繋いで行くことが使命だからです。