それでもアンタは社長か!?
サラリーマンが絶対に口にしてはいけない言葉、酔っ払っていようとどうだろとこれだけは言ってはいけない言葉、それが「それでもアンタは社長か!?」です。
その言葉を口にして、首になったのが、悲しいかな入社2年目の私でした。
それでなくとも、第一次石油ショックの余波で、大学を卒業してから半年後にやっと就職した仕事先でした。
小さな看護師さん向けの本を出している出版社で、今から思えば、待遇もいいし、仕事の中味も面白くて、何も辞める必要など全くない職場でした。
三木先生と出逢ったのもその職場でした。
ただ社長からは、何故かわからないのですが、何から何まで、文句をつけられて、今で言うイジメでしょうか、意地悪をされていました。
その日、話がある、と小料理屋に誘われて、用心しながらついて行くと、案の定、「僕はそうは思わないんだけどね」という前書きの後に、「○○さんが……」と私の仕事ぶりについて無茶苦茶を言いはじめました。
私はしばらくそれを聞いたあと、トイレに入って一〇数え、心を落ち着けて、「アンタはどうなんだ?それでもアンタは社長か!?」と言ってしまったのです。
次の日から社長はギックリ腰になって会社を休み、1か月後に私は会社を首になりました。