誰が開けた、パンドラの箱?
異常気象に、疫病、大不況とくれば、誰であれ、こう叫ばずにはいられないでしょう。
「いったい誰がパンドラの箱を開けたんだ?!」
私は子供のころからギリシア神話が好きで、岩波文庫のギリシア神話を繰り返し読んできました。
そしてこの「パンドラの箱」の話に差し掛かると、他の話でもそうですが、つくづく人間の愚かさを考えない訳にいかなくなります。
災厄が起きるとわかっていながら、どうしてその箱を開けてしまうのか?
箱からはありとあらゆる災厄が飛び出して行った後に、最後に残った希望が、小さな声で「僕を忘れないで」と小さく呟きながら飛び出して行きます。
私はここの下りが大好きで、暗記するほど読み返しました。
6人兄弟の一番下に生まれた私は自分を、この最後の希望になぞらえて、一人ほくそ笑んでいました。
兄弟たちが災厄という訳でなく、単なる喩えなのですが、私はすこし気分がよくなりました