天王洲アイルの野球場

今はIT企業がひしめく、東京モノレールの天王洲アイル駅ですが、私が子供のころは、この辺一体は海の中で、丁度、海と陸の境目でした。

モノレールも建設中で、世はまさに東京オリンピックに向けて、突貫工事の真っ最中でした。

以前、この東京モノレールの天王洲アイル駅から、小さな野球場が見え、私は懐かしさで思わず声を上げそうになりました。

それは紛れもなく、私たちが子供の頃遊んだ野球場に違いありません。

今は野球場は一つしかありませんが、昔は二つあって、外野同士で背中合わせになっていて、使っている人がいない時は、我々悪ガキが無断で使わせてもらっていました。

私はみんなより歳が下で、みそっかすとして、球拾いをしていました。

ある日、外野にフライが飛んで来たため、フェンスによじ登って取ろうとして落下し、そのまま気を失ってしまったことがありました。

気がついたのは水飲み場の脇で、そんな私に向かって、兄は「母ちゃんに言うなよ」と言ったのを覚えています。