山巓の風、雲、自由!!
自転車乗りの間では、ヒルクライムと言って、峠を攻めることに生き甲斐を感じている輩がいます。
国内にはヒルクライム専門の競技会もありますし、ツール・ド・フランスでも、アルプス越えは大会の花です。
ですが、このヒルクライム、見るとやるとでは大違いです。
若い時、一度だけ、ツール・ド四万と言って、四万温泉を何周かする大会に参加したことがありますが、その時はもう、心臓が破裂するかと思いました。
ではそんな思いをしてまで、何を求めて、峠を攻めるのか?
それはそこに、何ものにも代えがたい自由があるからです。
もう全精力を使い果たして、ようやく峠の頂に立つと、山巓の風が心地よく肌を渡り、見上げれば、白い雲が遠く流れて行きます。
そこには、何物にも代えがたい、生命の自由があります。
一度この自由を知った者は、苦しい苦しいヒルクライムの虜になるのです。