明治生まれの父と母
令和の今にあっては、昭和すら、縁遠くなってしまいましたが、ましてや、明治などというと、気が遠くなるほどの大昔であります。
しかし、その明治生まれの両親から生まれた子にしてみれば、やはり、明治というのはとてつもない存在でした。
昭和2年、23歳になった父は、半農半漁の次男坊だったため、望まれて親戚の自作農の家に婿に入りますが、その家の後添い(母の継母)に男子が誕生したため、母と二人、当時日本の領地であった朝鮮に警察官として渡ります。
そこは今、北朝鮮の核施設があると言われているニョンビョン、当時の呼び名がネイヘンです。
そこで、下男、下女付きの何不自由ない暮らしを10年近くしたあと、戦争がひどくなる前に、日本に帰って来ました。