吉本隆明が絶賛、三木成夫
私はDTPという仕事を生業としていますが、これは昔の活字工のように原稿から文字を起こして、印刷用のデータをパソコンで制作するという仕事です。
残念ながら三木先生がご存命の時には、お仕事でご一緒することはなかったのですが、お亡くなりになったその後で、何冊か三木先生の本を制作させていただきました。
その何冊目かの時、解説者として、あの高名な吉本隆明の生原稿が届いたのです。
もちろん、手書きの原稿です。
しかもその内容が、もう少し早く三木成夫と出会っていれば、私の思索ももう少しマシなものになっていたかも知れないという、最大級の絶賛です。
その原稿をタイプしながら、私はキーボードに置いた指の震えが止まりませんでした。