arasan1951’s blog

69年間の人生の叡知!森羅万象に物申す

雨の北品川駅

これもまたまた古い話です。

私の次兄は中学を卒業するとすぐ、都内のガラス工場に勤めて、コップだのクラスだのを作っておりました。

体格のいい人で、背も高いし、筋肉隆々で、幼い私から見ると、雲を突くような大男でした。

ところが、雨降りとなると、どういうわけか、傘を持たずに会社に行くため、母に言われて、兄の傘を持って私が駅まで次兄を迎えに行くというのが常でした。

北品川駅ですから、品川駅の一つとなりで、京浜急行の各駅しか止まりません。

何本か急行と特急が通過したあと、待ち望んだ各駅停車が来ると、だいたいその電車に乗っていることが多かったと思います。

改札前で立っている私を認めると、少し手を上げて合図をするだけで、ありがとうとも何とも言いません。

傘を受け取ると、バサッと大きな音立てて開いて、さっさと歩き始めます。

私も急いで後を追いますが、必死に小走りになってしまいます。

だから私は子供の頃、雨が降り出すと憂鬱な気分になりました。